自分が「外国人」になる経験、それが事業を始めた理由です。
きっかけは2016年、それまで働いてきた漁協を辞めてフィリピンにある不動産会社への転職です。
人生で初めてフィリピンに降り立ち、職場挨拶のためその足でオフィスに向かいました。
当時不動産部門には約20名、関連会社を合わせると100名以上のフィリピン人が同じフロアで働いていました。事前に準備した英語の挨拶を忘れてしまい、しどろもどろになりながら乗り切りました。
フィリピン人からすると私は日本から来た外国人、自分が外国人になったと感じた瞬間でした。
それから五年間、フィリピンでの生活がスタートすることになります。
言語や宗教、商習慣、文化の違いから大小様々な問題が起こります。その都度、日本のやり方を持ち出しても納得は得られません。一方で、なんでもフィリピン流を取り入れると良いのかというとそうでもありません。両者を行き来しながら、あるべき姿を描き、現状とのギャップを埋める行動を一つずつ実行する必要がありました。
5年間を振り返ると、失敗の方が多かったように思います。それでも続けてこれたのは、国を超えて異なるバックグランドを持つ者同士、一緒に働くことを楽しめたから。
何よりフィリピンの社会が私を温かく迎えて、手助けしてくれたからです。
この経験は、私のキャリアの幅を広げただけではなく、人生をも豊かにしてくれるものでした。
そして日本で働く外国人にとっても同様にあって欲しいとの願いから、外国人材に関わる事業を開始しました。
社名のjeepneyはフィリピンの庶民が利用する乗り合いバスです。
役に立つ、身近な存在でありたいという意味を込めました。
外国人材と受け入れ企業の双方にとって無くてはならない、そんな会社を目指したいと思います。